コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

インバル・ピント・ダンス・カンパニー「Boobies」


イスラエルのカンパニー。
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/inbal_pinto/boobies.html


ブービーズboobies」
奇妙な鳥獣戯画
オリーブグリーンと鈍いゴールドの世界。
巨大な月と、地面に生える小さな草。
昆虫の動きをするダンサーら。
目が離せない面白さ。
日本の「コンポラダンスな感じ」は全くない。欧米の「モダンダンスな感じ」もほぼ、ない。
彼らだけが表せる特異な個性。


コミカルで口の端がにやり。
男たちが良かった。
女たちのコスチュームや表情、しぐさは、典型的な女性像を抜けていないような気がした。*1
細部に関する意見は賛否両論あるにしろ、圧倒的に彼らのアイデア勝ちだと思う。
創作意欲をかきたてられた。


とはいえ、お金を払って観に行きたいかと問われたら、微妙だ。NHK芸術劇場で観た。
今年秋の世田谷パブリックシアターにおける録画である。
続く「オイスターoyster」は観なかった。穏やかではない死の匂いがして、怖かったから。


代わりに、リズ・ブルボーの『私は神!』を読む。

*1:誰だったか世界的に有名なバレリーナが踊った「マノン」を劇場で観たときには、そんなことは感じなかった。マノンはとても女性的な女性で、インバルさんたちが好きな(あるいは描きたかった)女性像も随分と甘く女性的なのだと思うが、どのようなキャラの女性像を描くかとは別に(ギエムのような「自立した」女性に対するロマ系のいわゆる「女性的な」女性を描くかに関係なく)、細部を綿密に描くことでステレオタイプではない中身が感じられる。リアルな人物が立ち顕る。