コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

トリノオリンピック フィギュアスケート

今回の五輪のフィギュアスケートにはあまり感動することがなかった。
新採点方式になって、アイスダンスはとても細かい採点を気にする競技になってしまったように思う。
もっと芸術性を重視したほうが好きだ。


今回のフィギュアでいちばん面白かったのは、女子のカロリナ・コストナー(イタリア)のフリー演技。ヴィヴァルディの「四季 冬」を使い、鳥肌が立つ演技を見せてくれた。とにかく振付がありきたりでなく面白かった。なんと形容していいかわからないが、白銀のうさぎが飛び跳ねるような、今にもボクシングしそうな動きとか……。こんな動きは今までのフィギュアにはなかった。衣装もシルバー。
フィギュア女子ではイタリアのメダルが彼女一人の肩にかかっており、しかもホームグラウンド。すべてのイタリア国民の視線が彼女に注がれる。ひどい重圧を感じているのが見て伝わってきた。この苦しさのなかでこれだけ幅のある演技、素晴らしい技術を見せたのはすごい。最終的には残念ながら9位だった。


アイスダンスフリーのデンコワ&スタビスキー組(ブルガリア)の曲、アルビノーニアダージョ」も好きな曲だ。
Canon & Fugue



アイスダンスで優勝したナフカ&コストマロフ組(ロシア) アイスダンスの結果
 



 
聞いた話だが、小学生の女の子のあいだではフィギュアスケートがかなりの人気になっており、彼らは荒川静香派と村主章枝派に分かれているそうだ! 私は断然村主章枝派である。彼女は4位に終わり、その後のインタビューで必死に涙を堪えていた。
母親や自分のかさむ医療費など生活が苦しいイリーナ・スルツカヤにはぜひ金を取ってほしかった。ロシアの報奨金は世界一高いそうだ。イリーナは世界選手権などで数々の金メダルを獲得済み。欲しいのはオリンピックの金だけだった。喉から手が出るほど欲しい。ペア、男子、アイスダンスと今回の五輪のフィギュア3種目においてロシアは金を総なめにした。そのような状況において、酷い重圧に負けず、無欲に純粋に演技に集中するのはきわめて難しい。とても残念だ。
オリンピックで上位につける選手たちの紹介記事を読んだ。成功する人には、人の想像を絶する苦労を重ねた、ハングリー精神の持ち主が多い。ぬるま湯につかってきた私たちにゃー成し遂げられない偉業である。


ニブロールの矢内原美邦さんが「人生なるようになるけど、強く望み、行動しなければ自分の思うようにはならない」と2006年の抱負として語っていた。深く同意する。
流れを信じることは大切だが、「自分の意思を持って選択する」というキリスト教的な考え方はとてもとても好きなのだった。