『パフューム〜ある人殺しの物語』
『パフューム〜ある人殺しの物語』を
GyaOのオンライン試写会で観た。
『パフューム〜ある人殺しの物語』公式サイト
1985年にドイツで出版された原作は、
ニルヴァーナのカート・コバーンの愛読書で、
彼はパトリック・ジュースキントによるこの物語に
インスパイアされ、楽曲まで発表している。
(『IN UTERO』「Scentless Apprentice」)
あらすじはここで読んで下さい。
ネタバレ書きます。
カートは世界の救世主になることを夢見た人だと思うが、
この映画のラストでも、主人公は自分の創った香水によって
人々の救世主となる。
匂いを嗅いだ人々は無償の愛で結ばれるのだ。
やがて広場の大衆は、悪酔いの気分で目を醒まし、
無差別に交わった我々の恥ずべき記憶を歴史から消す。
彼は、世界から食われ、消える。
カート・コバーンがこの小説をこよなく愛した理由がよくわかる。
マニアックな人向けです。
中盤の、グルヌイユが香水職人に香水作りを学ぶシーン。
香水好きには堪らない。
世に香りの存在する喜びを感じさせる瞬間だ。*1
正直、予告編を観たときは、観る価値がないのではと思ったが、
本編の造りは巧みで、片時も飽きずに入り込んだ。
最後の救世主になって終わるシーンは、
田口ランディ氏の『コンセント』や、
庵野秀明監督の『エヴァンゲリオン』を思い出す。
現実的には何の解決にもなっていないのだが、
宗教的恍惚感によって救われる。
監督は『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ。
もう一度観たいかと問われれば、
『ラン・ローラ・ラン』の方が観るに堪えるな。
ちなみにGyaOの映像が、GyaOのFAQを試しても見られなかったので、
C:Documents and Settings/All Users/Application Data/DRM
のDRMフォルダ内の全ファイルをMyDocument内に移し、
DRMフォルダ内を全削除したら、
見られるようになりました。世話の焼けるGyaOめ。