コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

"public=un+public" Off Nibroll

"public=un+public" Off Nibroll + Jo Lloyd & Shio Otani オフニブロール
BankART1929 studio NYK, Yokohama (倉庫)
performance 2000 yen
http://www.nyyg.com/mikuni/
20分x3


1部 『避難訓練パブリック=アン+パブリック』
   出演/KENTARO!! 山本圭
   振付/矢内原美邦 映像/高橋啓


 日本人のカジュアルな服装をした若い男二人が
ピッチャーから水をそれぞれのグラスに注ぐ。飲む。
グラスを持ったまま、ど突き合い。


後ろのスクリーンにも、二人と同じしぐさをする
二人が移っている。ただし、流れる水の代わりに、
ピッチャーからはおびただしい数の羊が流れてくる。
再びスクリーン、どう見ても現代日本の公園で、
木の椅子に座り、杖を持ち、羊飼いのふりをする二人。
ただし、杖以外は、何としても現代。



2部 『失眠不眠パブリック=アン+パブリック』
   出演/Ku Hsueng, Fu Tsu Hao
   作・演出/Chang Fu-Chin


 一人で黒い革のデザイナーズチェアに座る若い男。
ネルシャツを抱き、その右腕と左腕を合わせ、
キスシーンを再現。悦に入る。
見えない壁を触る。ドアを開く。と思うと、
ドアは消え、、、。空間が開け。
男はまたクッションで一人遊び。床に寝転がり。


彼の表情に惹かれた。俳優か。
そこに一人の本物の人間が生活していた。


後半はひょろりとのっぽの男が中国語らしき哀歌を
唄いながら入ってくる。ライトが落ちる。青い世界。
後半は物悲しげ。やや演歌調に感じる二人の絡み。
よくわからない展開に眠くなる。


3部 コラボレーションパート『public=un+public』
   Yokohama+Taipei
   出演/Ku Hsueng, Fu Tsu Hao, KENTARO!!, 山本圭祐, 矢内原美邦, Chang Fu-Chin
   策・演出・振付/Chang Fu-Chin, 矢内原美邦


 6人。複数のクッションの奪い合い。
奪われた人に向かって「大丈夫?」
向こうの人も「大丈夫?」
と、その瞬間にまた彼のクッションを後ろから奪う人が。
尻にひき、寝転がり。繰り返し。
電話に出る眼鏡男。向こうで電話口に出る女。
相手は中国人かと中国語で話しまくる気の強いぽっちゃり女。
戸惑い日本語を求める日本の眼鏡男。
緑のスニーカーを抱きながら、
「俺の彼女は靴が好きだった」
「でも靴が好きだったのは俺かもしれない」
などと話す眼鏡男。


後半は躍るダンスらしいダンスも。
ランダムにクロスオーバーする人々。
一つの社会がそこにある。
 
 

ニブロールは日本の現代社会の空気を確かに掴み、
何とも言えないとらえどころのない、それを、現す。
ニブロールは私の望んでいる何か。
期待に応えてくれた。
最後のシーンでは、胸がつまるものがあった。
友人も同感だったようだ。