コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

ashes and snow

ashes and snow
お台場 ノマディック美術館 1800円(前売)
6月24日まで


お台場の倉庫に建てられた会場の木の床に立ったとたん、
その日じゅう痛くて何度も座っては休んでいた生理痛が
嘘のように消えてしまった。


アフリカゾウの写真といったノンフィクションではなく、
ストーリーが綿密に構築されたフィクショナルな映画でもない。
風吹きすさぶ砂漠のヒョウに横たわりねむる少年。
大河で横になるアフリカゾウの上でまどろむ若い女性。
アフリカゾウの群れの周りで、
回転し続ける白い衣装を着た踊り手の女性。
人は誰一人として瞼を開かない。
ねむっているときだけ、私たちは夢を見ることができる。


作為的に創造された”天上世界”。
演技する人間が登場しない自然風景のほうが、
より一層美しい。と私などは思うが、
写真家グレゴリー・コルベール
パラダイスへの憧れが十分に具現化された
繊細な映像写真世界であった。
2時間後、すっかり毒気を抜かれて
会場を後にした。








(前売チケットを必ず買っていくこと。
チケットを持たない場合、
チケットをゲットする列で30分、
チケットをゲットした人たちが入場する列で30分。
計1時間待つことになる。
朝10時から夕方5時過ぎまで、何時訪れようが、
一貫して30分以上並ぶこと必至である。
全く無名であった展示に、
日を追うごとに、周囲で「お台場ノマディック」の感動について
話す友人知人が増えていく。その口コミ効果は圧巻だ。
どこまでマスコミに仕組まれたものなのか測ることはできないが、
ashes and snow作品の持つ圧倒的な力を感じさせる。)