コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

ひきこもりvol.3


しつこいようですが、ひきこもりについて引用します。
「自分と違う」という結論だと、理解したことにならないような気がしたので、もうちょっとねばってみます。

「ひきこもりはだれでもなるよ。オレはひきこもりというのは『はまり』の構造と同じだと思っているんだよ。バクチにはまるとかいろいろあるじゃない(笑)。それがたまたま青年時代に起こる『こもる』というものにはまってしまったんだね。だからとりたてて理由はないし、オレの経験からいえばひきこもっているからって、ふつうの人間と別に違いが見つからない。だから、たまたまそうなってしまっただけなんだから、あとはそこからどうやって抜け出すか考えればいいんだよ。」
「だいたいひきこもりだとの不登校だのに関係を持とうという人間は、よほど根性据えて生涯つきあっていくんだと腹くくらないとホントできないよ」
東京 NPO 青少年自立援助センター(「タメ塾」) 理事長 工藤定次(「タメさん」)

「あの頃の感じを言葉で表現するのはとても難しいんです。出たいのに出られないというのではなく、出ないほうがいいんだろうなと体がいっているというような……。やわらかい感性をもっているのが、ひきこもりの人だと思うんです。その感性は、自分の危険を鋭敏に感じとる。出たら、危ない。自分がバラバラになる」
元ひきこもり 和田俊彦

「人はみな仕事をしてお金を稼ぐことがいいことだという幻想がものすごい強いですよね。でもそんなこといったら、障害をかかえた人とか高齢者の人たちなんか生きていけないですよ。経済的に自立できないし、実際に仕事もないわけですから。もちろんひきこもりと障害は違うという人もいますが、でも考え方としてはすべての人がお金を稼がないといけないとすれば、それができない人たちはこの世のなかで居場所をなくしてしまいますからね。ひきこもっている状態というのはその人にとって切実なんですよね。ひきこもらざるをえないわけでしょ。」
「生物学的にいえば立派に自立しているわけです。それを社会的状況によって、経済的に自立していないとダメだと言ったりしているだけなんです。」
「自立の姿はいろいろある」「いまその状態がその人にとって意味のあることで、ひきこもっていることは無意味なことでないんです」
日本スクールソーシャルワーク協会会長 山下英三郎(スクールソーシャルワーカー

「僕の場合、…(略)…家庭に問題はないんですよね。勉強しろと言われたこともない。だから、僕がひきこもりになった外的な要因というのは見当たらないんです。たいていの人はですね、親との関係が原因なのではないかとか、学校のことが原因なのではないかとか、どんどん考えてしまうのだと思うのですが、最終的にはけっきょく自分のせいなのだというところまでいってしまう。わかりやすい原因はないことが多いと思う………」
「自分の物語って、こじつけることができちゃうじゃないですか。家族や社会や生い立ちにトラウマがあるというふうに他の人との差を求めると、ひきこもりのループから抜け出せなくなってしまう気がするんですよ。だって、外に出ることのできる普通の人たちだってトラウマとかつらいこととかいろいろあるでしょう。でも、彼らは外に出ている。内面的な難しいことばかり考えていても、明日にはつながらない。あまり考えないほうがいいですよ。」
「それより、ひきこもりの人は、まず生活リズムです(笑)。体を鍛えましょう。体がだめになっちゃうと心もとことんだめになる」
元ひきこもり・作家 滝本竜彦

『ひきこもり支援ガイド』(晶文社)2002年


「はまりの構造」というのは納得が行った。私もはまりやすい。いろんなものにはまったなぁ。
思春期ってはまりやすくて、大人になるということはだんだんといろんなものとのバランスが取れて、セルフコントロールできるようになっていくということかな。
しりあがり寿氏が「青年期特有の万能感」について最近新聞かどこかで触れていた。万能感って「青年期特有だったのか〜」と思った。誰でも生きていく上で何度も挫折を経験するものだ。けれど、ずっと成功していっていわゆる「勝ち組」になると、マドンナが「ときどき私は自分のこと神じゃないかって気がするの」と言うみたいに、青年期の万能感を持ちつづけるんだろうか。*1


この本を読んでいたら、なんとなく、自分と一緒だなあ、と感じた。

*1:マドンナ「本当の答えはわからない。成功への渇望と意志があるか、ないか。『だめ』とはじかれた時に、その評価を受け入れた人をたくさん知っているけど、私はそうではなかった」。 〜〜New Age系の精神世界では、自分が神であることを信じましょう、と言う。自分は神であると信じつづける意思があったのが、「成功した」人たちなんだろうか。 社会の多くの人は、そういう「私は万能」的な人たちに対しては眉唾だよね。眉唾であるほうがむしろ「地に足がついている」ということになる。「私は神です」とか言い出したら狂人扱いされるから(笑)。  というか、「眉唾」なふりをしているだけなのかもしれない!? なんといっても、第一線の科学者たちは直感の力を誰よりも信じているようだから。