コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

『バレエ漬け』

バレエ漬け
プリマバレリーナ草刈民代さん40歳の自伝『バレエ漬け』。立ち読みによりほぼ読了。書店さん相すみませぬ。
長女の民代さん(タミー)は、レッスンを始めたときから「私は踊る人になる」と思っていた。妹さんは、始めて半年で「こんなつらいこと(バーレッスン)やって何になるの」と思ってやめたとか。タミーにとっては、踊ること、練習することはあたりまえのことで、20歳近くまで疑問を持ったことはなかった。
というくだりが面白かった。


そんなタミーであるが、初めてのお稽古事であるピアノの練習はつらかった。ピアノを家でひたすら練習していたときに「そうだ、私はバレエをやるんだ」とひらめいたそうだ。ピアノは練習が苦痛で、ダンスは練習もまったく苦にならないという点は、私と一緒だなあ。
小学校のときにクラスの忘れ物ランキングで首位だった点も、似ている。「トップなんだからいいじゃん」と母親に開き直っていたとか。それ、最下位とも言うんだけど。


20代、30代は、「これをやって何になるのか?」と、毎日問い、葛藤していた。そのせいで集中が足らずよくケガをしたそうだ。その答えは、「やっていくなかで見えてくるものがある」としか言えない。と。
自分にコンプレックスを持っており、「バレエ以外のことをする勇気がな」い。逃げているのかもしれないと悩んだときもあった。けれど、結局「自分はバレエしかできない」のだと。
やはり20代は、無我夢中で突っ走る時期だよなあ。自分の方法論が見えてきたり、ある程度余裕が出て自分のやり方でやっていける自信と見通しが持てたりするのは、40代のようだ。