コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

山崎広太『Rise:Rose』

山崎広太『Rise:Rose』(70分)
振付 山崎広太
美術 Stephen Crawford
照明 Amanda K. Ringger


吉祥寺シアター 3月3日(土)16:00 3000円
アフタートーク有。★はアフタートークより。
席はほぼ満席。


山崎広太さん(以下敬称略)の公演は初めて観た。
山崎広太、西村未奈、ポール・マテソンのトリオ。
一貫してほとんど暗い舞台に、
照明が一筋、ときどき色を違えて入る。

 
 
 


山崎広太、踊りが素晴らしかった。
唯一無二の個性が光るダンサー。


いろいろな振付を見てきたが、
こんな振付は見たことがない!
日常の体遣いでもないし、何メソッドでもない。
うまく言えないが、くねくねしてる。変化球。


★西村「広太さんの振付は、とても難しい。
通常、他の踊りだと、
1,2,3,4,5,6,7,
1,2,3,4、5,6,7と
カウントして覚えることも多いのですが、
そうできるようなものでない。
だから彼が踊るのを見て覚えるしかない」


西村未奈、申し訳ないが、普通すぎる。
後でお茶女卒と聞いて納得。優等生な踊りだと思う。
山崎ぐらい「これを踊れなければ死んでしまう」
というような何かを見せてほしい。
後半は徐々に良さが光るようになった。
 
 
 
 


衣装、構成は、必然性が感じられなかった。

最後の男性二人の白装束は、
女性と同様に白+黒ロングカーデ
でコントラストをつけてもよかったのでは。
山崎の白装束が似合ってなかったし、
マテソンの姿は古典的な白馬の王子様のようで、
もっと揺ぎ無い彼らしさを見せてほしかった
(マテソンはベッシー賞受賞。もともと
 クラシックな雰囲気を持つ人なのか)。


★山崎「衣装、使い回ししています」(観客笑)
★山崎「(タイトルのRise:Roseは)
 あまり深く考えてないんですが、
 現在があり、過去になった、ということです。
 薔薇のRoseともかけています」
★山崎「(舞台の水溜りとその周りの薔薇について。
 とにかく)薔薇を使いたかった」


あまり考えてないのか。(それ自体は別に良い)
なんでここでこうなるの? との疑問が続出。
私自身の振付と似ているかも。詰めが甘い。
 
 
 
 


舞台自体は、何が言いたいのかよくわからなかった。
精神的に追いつまっていた私は、
何かに出会いたかったのだが、
何にも出会わなかった。
もしかして追いつめられていたから、
感覚がいつもより開かれていなかったのかもしれない。
 
 
 
 


アフタートークの山崎氏の話しぶりに好感。
面白い人。観客の笑いを誘っていた。


★観客「山崎さんにとって動きとは何ですか?」
山崎「動きは、、、日常にある。生活の一部。
   なければ死んでしまいます」