コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

WWD BEAUTY創刊

9月7日『WWD BEAUTY』が創刊された。
ファッション業界専門誌として定評のある『WWD』のビューティ版。
さしあたり1年間の定期購読を申し込んだ。


見本誌Vol.0のほうが面白かったなあ。
調香師の連載と、5人の文化人が詩的に綴る
お気に入りフレグランスへの思い入れの記事に興奮した。
5本ともクリードの香水についての評で、
つまりはクリードとのタイアップ記事なのであろうが、
真新しい角度からフレグランスに光をあてている。
こんな記事は読んだことがない。
パッケージ写真とエディトリアルデザイン
季刊誌『PARFUM』などとは比べものにならないぐらい美しいし、
美容雑誌・女性誌のフレグランス・タイアップ記事と異なり
広告色をあまり感じさせない紙面も気持ちがよかった。
女性誌のフレグランス紹介記事は皆同じに見える。
とりあえず紹介しました的な。


Vol.0001は「ビューティージャーナリスト46人」の徹底特集。
齋藤薫などビューティージャーナリスト第一人者らへのインタビュー、
ビューティージャーナリスト4人の鼎談、
ビューティージャーナリスト43人へのアンケート(6頁も項目の羅列!)、
が主な紙面。
ビューティーについてジャーナリズムを成立させることを、
山室一幸編集長(兼WWD編集長)は謀っているのだろう。
まだその新しい視点を堪能できない自分がいる。
全32頁を読み終えてのボトムラインは、
「BEAUTY誌なのに、実際の化粧品情報&メイクアップ・スキンケア写真が少ないってどうよ」



   ☆  ☆  ☆


『月刊国際商業』などで化粧品各社の戦略は読めるのでいいとして、
化粧品開発者の個人的な視点を読みたい。


内科医による連載記事「統合医療のススメ」は、
意図して日本語名を選んだのだろうが、
「ホリスティックメディスン」と謳って、
統合医療や漢方をカッコ良い存在にすることを
目指したほうがいい気がする。
花王シャンプー「アジエンス」が東洋人の美を
アジアン・ビューティ」や「オリエンタル」と
カタカナ語で強調して大ヒットしたように。
怪しげな漢方はスルーするけど「サプリ」は欠かさず摂取するみたいな、
地味な仕事に疲れたOLはわかりやすいヒップなイメージに弱いんすよ。


この流れで行くと、
カラリスト、カラーセラピスト、ヒーラーはぜひ登場させてほしい。
業界の行く末を中長期的に語る記事も読みたい。


女性誌『Glitter』も創刊からVol.5あたりまでで飛躍的に改良された。*1
『WWD BEAUTY』も躍進するだろう。期待大。

*1:その後『Glitter』記事の方向性は安定し、継続的に売れており頼もしい。むしろ『egg』をつい手に取ってしまうが。女性・ファッション誌は手当たり次第濫読。