コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

リストラに乾杯!

「リストラを受け入れて(中略)自分の心の中で折り合いをつけるには最低でもでも三年はかかるだろう」
(あとがきより)


リストラに乾杯!

リストラに乾杯!


meowowは全然、大手・安定志向ではないので、
主人公男が50代にして、メガバンクからリストラされ、
自らの「東都大学」出身、「丸の内銀行」在籍29年の栄光に
依存した、アイデンティティと仕事観を見つめ直し、
新たな仕事を見つけ、受け入れていく様が
非常に新鮮だった。


主人公にとっては、
仕事とは安定をもたらすものだ。
「生きるため、そして安心という担保を得るために働いているんです」
との美容院オーナー・滝川信子の答えに、主人公は共感する。


メガバンク内での横領事件、
主人公に濡れ衣を着せる支店長上司との攻防、
検察との絡みなど、鮮やかに描き切っておる。
明晰な作家さんですな〜(とつい、"元特捜検事"の口調になってしまった)