コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

パトリック・デュポン『パリのエトワール』


自伝本を読むのが好き。
なのだが、バレエ・ダンス関係は、
編集が上手くないのか、
ただの事実関係の時系列の羅列に終わっている
印象を受けることが多々ある。


そのなかで
一本筋が通っていて一気に読めた。


勝ちに行く、
一番になる、


ことに徹して、
描かれた本だと思う。



いま見たら、本の帯が
「世界で一番のダンサーになる!」
だった。



  ☆


デュポンは、7歳のとき、近所のバレエ学校の
バレエ・レッスンを見て
思わず涙をこぼしてしまった。
それがバレエとの出会いだとか。


私もダンスとの出会いは、
4歳のときの幼稚園の体育館でやっていた
バレエ・スクールのレッスンを見たことだった。
近いものがある。
くっきりと脳裏に思い浮かんだ。


他にも10歳に満たないころ
旅先で出会った17歳の男の人が林のなかで
失恋のため涙を流していたときに
自分も涙があふれ出た話
(たった2日間だったが、
慰めあい、ハグして、唇が触れあった)


7〜8年間パリ・オペラ座バレエ学校で
家族総出で頑張ってエトワールを目指し、
コールドバレエに採用が決まったのに、
パリ・オペラ座側の財政的事情から、
採用がキャンセルになり、
ノイローゼになったダンサー、
自殺未遂したダンサーが出た話


など共感できるエピソードには事欠かなかった。