コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

ギエム「最後のボレロ」

市川市文化会館 18:30開演 B席7000円 2階中央


振付家ベジャールラヴェルの音楽を完全に表現し、
ギエムはその振付に息を吹き込む。
何度でも観たい。*1
カーテンコール8回。1階総立ち。
二階もぱらぱらと立つ人びと。私も二階席で立ち拍手を送り続けた。


ボレロ」は初めて観たので素人感想なのだが。
今更ながら、ベジャールの振付の素晴らしさに驚嘆し、涙がにじむ。
コンタクトレンズが曇り遠くのギエムが見えなくなってしまう。泣くのを堪える。


子宮や、ベジャールの頭の中みたいだなあ。
赤い円卓上のギエムの周りを四角形に取り囲む多くの椅子に座る上半身裸の男たち。
彼らのひとつひとつの動きも楽しかった。
気持ちいいなあ。エロいなあ。


「Two」(振付:ラッセル・マリファント:振付、音楽:アンディ・カウトン)も、良かった。
暗闇の中、等身大に四角くライティングされた小さな舞台上を、縦横無尽に動き回る。ダイナミックだ。
身をのり出して観てしまう。
けれど、途中からよくあるロックになった音楽は、良いとは思えなかった。
ギエムが踊らなかったら凡庸な作品になっていた気がする。









<余談>


Noism04もだけれど、今回のボレロも1階前列で観たら随分迫力が異なっただろう。
一方、ルジマトフや山海塾は、2階の離れた席で観てもダンサー自身の緊張感が手に取るように伝わってきた。


また、同じベジャール作でも、東京バレエ団の「ギリシャの踊り」と「ドン・ジョバンニ」は、
良いとは思えなかった。センスが感じられないというか。
私はやはり衣装も凝っていて欲しい。全員レオタードなんてつまらないー。
ベジャールの振付が、ギリシャショパンの音楽を適切に表現しているようには見えなかった。
ギリシャの民俗っぽい音楽にも、日本人の平面的な踊りにより、さらに退屈した。


上野水香さんを初めて生で観た。
二階席から観る限り、特に華はなくてほっそりした小柄な感じの普通のダンサーなのだが、
どこから観ても、手足や胴体の角度が綿密に練られている感じだった。
その点が他の女性ダンサーらと異なり、際立っていた。
(他のダンサーは「そこ、2〜5cm角度違うよ」という感じ。それじゃ、なんだか短足に見えるよ。)
彼女は手足の長さも際立っていたかも……。


今回の東京バレエ団に、特に気に入るダンサーは見受けられなかった。
(テレビで観て感動したさいとう美帆さんのような、刺激的なバレエダンサーを生で見たいものだ。千葉公演は東京公演に比べて落ちるんだろうか? 東京公演はチケットが取れなかったのだ。)




東京公演Bプログラム11月23日公演評(ハンナさん)
東京公演11月20日公演評(とらのおさん)
 
 
 

*1:今度は生のオーケストラで観たい。