コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

架空請求

架空請求がまかり通っている。
大手の企業でも、中小企業でも。
その事実にショックを受けた。
書いていて泣きそうなぐらいショック。
自分が信じていたものは何だったんだろう。


法令遵守って何ですか?


法律と現実のあいだには常にギャップがある。
法律が現実に追いつかないのは、
法律という制度の本質を考えると、当然だ。


法律を改正するにはとても長い時間がかかる。
法律が改正されるまで、現行の法律を「解釈」して、あいまいに適用する。
そのことで、現実に即さない法律を、ある期間、ある程度、履行することができる。




ホリ○モンは、文学部出身で、ちょっと現実をわかってなかったのかな、と思った。
法律が追いつくまで、自分たちが新しい現実を作るんだ、と意気込みすぎたのかな。
でも現実の法律にとって、彼らのやることはillegalだったので、逮捕されたと。


会社員の友人は、彼はやり過ぎたんだよ、という。
架空請求は誰でもやってるけど、まあ彼は目立ちすぎたんだな、と。
彼は、行き過ぎる多企業の粉飾を取り締まるための、スケープゴートだったのか。
メディアの報道することと、現実の間には大きな開きがある。


私の見ている現実って何だったんだろう。
私はナイーブすぎたのだろうか。


小泉首相も、好きだけど、結局人を使えるか使えないかでしか見ていない、
使えると思う人には耳障りのいいことを言い、使えないと思ったら即切り捨てる、
冷たい人なのかと思った。離婚しており、仕事が恋人で。
でも映像での若い頃の彼は、有能でややニヒルな感じを与える怜悧な男に見えたけれど、
今ではもう少し丸くなったように見える。
自分が「冷たい」ことも承知で日本の改革を実現するためにやっているのか。
丸い人間だと情や派閥を気にして思うように制度を刷新できないため、
職務上あえて「冷たい」道を選んでいるのか。
今もなお、有能で冷たい男なのか。
メルマガなどを読む限り、そんな酷い人には思えない。


ブッシュ大統領が、イラクを名指しで悪の枢軸と非難し、正義と悪の闘いなのだ、と演説する。
けれど、イラクで彼のいう大量破壊兵器が見つかることはなかった。
結局、ブッシュは、アメリカのロビイストらの欲する石油利権だとかが欲しかったのか。
イラクに攻め入ることはアメリカ国家にとって軍事的に大きなメリットがあるから。
私は詳しくないけれど。


小泉氏もブッシュ氏も、白黒はっきりさせ明快な口調で人民に訴える。
言葉の遣い方、スピーチが上手い。
深く考えないぼや〜っとヤングスタ(自分)はなんとなく彼らの思うつぼな気がする。








よく心理テストの質問で、「あなたは物事の本質をわかっていると思いますか」
という項目がある。
あの質問の意味がわからない。
物事の本質って何?
現象の裏の裏まで読める人が、物事の本質がわかる人であろうか。
としたら、私は物事の本質がわかっていないのかもしれない。


汗と異様な臭いを放つ超肥満のみすぼらしい服装をしたお姉さんが来店する。
店員に命令する。「これ取って」「それ取って」
新宿店の店長が「あの人裏では何考えてるかわからないよ」と。
裏なんかどうでもいい。
過食症なのか、人生を投げているのか。そんな「真相」に興味はない。
目の前でパンを取ってほしがってるのだから、嫌がらずに、取ってあげればいいじゃない。
命令に忠実であることを欲しているのだから、その望みをかなえてあげればいい。
今、その望みをかなえることが、彼女の状態を悪化させるとは思えない。
どんな事情があったにせよ、今の彼女がある。
私の興味は目の前の、人にパンを取ってもらうことを欲している彼女だ。


お金をせびる浮浪者。
本当はお金を少し持っているのに、まだ人からただで何かもらおうとしているのか。
本心から困っているのか。それはどう見分けるのか。
そんなこと考えてない。
けど、本能的に嗅ぎ分ける気がする。
あげるべきか、あげるべきでないか。


本能で嗅ぎ分けるから、
あやしいカルトについていくことがなかったし、これからもないのだと思う。
自分は幸運だ。幸運であることに自信がある。
その確信は、あやしいものの周波数と同調しない。
(勘違いもあるけれど、観察力がないわけではないし。識別するための知識を随時補うし)


(そういう人についていくときは、なんとなく感じている。
 この人、何かあるかも……。
 でも、好奇心を抑えられなかったり、
 内情を知りたいと思うから、ついていくのだ。
 そのために傷を負ったこともあるけど、
 負傷を含めての好奇心の追求なのだ。
 私のしたことだ。
 痛いけど。)











裏表のない生き方をしたい。
作家のように。
(作家ほど深いひねくれたものの見方をしないから、
 ノンフィクションライターを目指していたわけだが。
 やはり文学畑ではなく科哲出身なのである。)
いつでも、表に出せるような自分でありたい。


現実は、私は不器用なのだ。
裏と表を器用に使いわけることができない。
表に出せない裏を持ち、裏をうまく隠しながら、
表を生きていく。そんな複雑で面倒臭いこと、私にはできない。


騙されてもいいや。
私はできる限り、人のありのままを受けとめたい。
危険は、本能が教えてくれる。安心。
私は幸運だ。