コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

あざといコンプレックス

障害者の自伝を何冊か読んだ。


ろう者で性同一性障害を持つ男→女の人や、
生まれつき手が短くて折れ曲がっている
「先天性多発性関節拘縮症による
両上肢機能全廃及び四肢筋力低下」という
障害を持つ女性の自伝。


前者は、恋人ができかかっても「元々男性だ」と
相手に打ち明けた時点で終わりになる恋が多い、
一人でさびしい、と言う。
後者は、神奈川新聞でミッション・スペシャリストとして
働く、負けん気の強い人だ。


就職試験に30社落ち。
臨んだ次なる神奈川新聞の入社面接で。
自己PRとして、
自分が働いたら
「御社のイメージアップになります」
とアピールし、内定を獲得したそうだ。
自分の最大のコンプレックスを裏返してアピールするとは。
いい意味であざといというか、
よっぽど自分を肯定できなければ
できない技だと思う。


  ☆ ☆ ☆


16日のY新聞朝刊に、
代理出産の特集が掲載された。
妊娠しにくい体質の人がいるのは知っていたが、
生まれつき子宮がない人がいるという。
驚愕の事実。
私はこの人のために産んであげよう。
(「あげよう」と言うのも偉そうで変だが。)


婦人科系の病気で苦しんでいる方には
申し訳ないが、
自分の月経はできれば無いほうがいい。
思春期以来、そう思ってきた。
おかげさまで、婦人科系器官はすこぶる健康。
月経痛もほとんどない。
精神的な月経前症候群はあるけれど。
生理前になるたびに、
自室から飛び降りて死にたくなる。
パニックになるし、涙がとまらない。
でも、生理が来ると
そういった気持ちはぴたりとなくなって、
前向きな気持ちになる。
アホらしいほど体調に左右される気分の障害である。


婦人科系が健康な私は妊娠を望んでない(今は)。
それなのに、赤ちゃんが欲しい人が、
子宮がないために産めないなんて。


  ☆ ☆ ☆


人はないものねだりをするものなのだなあ。
日本人に生まれたのに、
アメリカ人になりたいと願っていたりね。


そして、今更ながら気づく。


自分にとってできるのがあたりまえのことも、
ある人にとってはそうではない。


私が楽しみながらITスキルを身につけ、
当然のように使いこなすことも、
人によってはチンプンカンプン
It's all Greek to me(死語?)で、
覚えるのが苦痛なのだろう。
私にとっての事務職が苦痛であるように。


ありきたりな結論だが、
自分は恵まれているのだとつくづく感じた。