冨安徳久『ぼくが葬儀屋さんになった理由(わけ)』
『納棺夫日記』と併せ読む。
綺麗な世界だけ見ていたい、といった欲が消えていった。
うじ虫まみれの死体処理。
遺族に会い、彼らの気持ちを強く想像していれば、できるようになる。
と言う、同じ会社の先輩。
富安氏も、最初は吐いていたが、淡々と、しかし強い気持ちを持ち、処理できるようになった。
(遺族に会わず、直接死体処理に赴き、名も無き死体を処理した者は、二度と仕事に来れなくなる)
というエピソードを読み。
「汚い」と思っていたことが、「汚い」と決めつけていただけなのかも、と。
旅行で途上国に行ったことがなく、先進国ばかり行く自分は、帝国主義に侵されているかも、と思うのだが。
そんな事共が、瓦解してゆく感じがした。
月並みな感想だが。