コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

「王女メディア」

NHK教育「芸術劇場」で、金沢市民芸術村・劇団アンゲルスの「メディア・王女メディア」が紹介されていた。ほんの数分。
今年の夏、演劇方面では話題になっていたク・ナウカの「王女メディア」は全然観てない。気になったので「王女メディア」ってどんなもん? と観てみた。


一面、紺色だった。照明もブルーだったか、は憶えてないけれど。
ほとんど何もない、紺色の和紙のような紙が交互に敷きめぐらされていたか。地味な造りの舞台に、紺や藍や白を取り混ぜた衣装を着た女優が3人。
一人が王女なのかな、けっこう豪勢なお衣装を召している。「王女メディア」の話を全然知らないのでわからないのだけれど、有名なギリシャ悲劇のお話みたい。「私は王女、メディア」と繰り返し叫んだり、つぶやいたり、雄叫びをあげたり、していた。
狂気? 何か……狂いそうな感じ。


台詞、台詞回し。
震えながらの身のよじり方が、とても興味深いダンスのようだった。ダンス、だったかもしれない。
でも、鬼気迫っている。
震えかた一つとっても、迫真の演技で、魂がこもっていた。
すべてが、ものすごく綿密に、微細に、設計され、計算され、復習され、鍛錬され、演じられ、ほとんど完璧であるような印象を受けた。


演劇って面白いんだな〜、と素直に感じた。薄々と、感じた。
陳腐な表現になってしまうが、目の前にあるのは「真実」だ。と思った。