コンテンポラリーダンスと英語とねことパンの日々
    

トヨタコレオグラフィーアワード2006 第二日目

トヨタコレオグラフィーアワード2006
「“ネクステージ”(最終審査会)〜次代を担う振付家の発掘〜」
第ニ日目 
16時開演 18:30終了 19:30〜結果発表・授賞式


岡本真理子/振付
スプートニクギルー」


山賀ざくろ/振付
ヘルタースケルター


遠田誠(まことクラヴ)/振付
ニッポニア・ニッポン


常樂泰/振付
「広島回転人間」


メモ程度に書きます。


岡本真理子
小さなおもちゃを舞台装置として使う。
走る鉄道模型*1、ブーツ、1ドア冷蔵庫、、、。
子供の小世界。
白井剛とアイデアが似ているため、
二番煎じに感じる。損をしている。
でなくとも、ありがちな舞台装置。
しかし白井氏と異なり、
確かな彼女の世界を感じる。
振付や表現力において面白いが、
構成が単調で30分見ていられず
眠りに落ちた瞬間度々。


選曲が素晴らしかった。
イケダタクミ「gilu20060730.wav」
Oswald Wiener, Helmut Schoener "Animal Music: Team of Jeremy Roht, West Dawson, Yukon-Territory" CD Team of Jeremy Roht West Dawson, Yukon-Teritory: Team of Jeremy Roht, West Dawson, Yukon-Territory
Town and County "Hindenburg" LISTEN1 LISTEN2
退屈な構成も音楽だけでかなり素敵な小宇宙。



遠田誠
イギリス紳士のような格好をした男性3名と女性1名。
具体的な振付の説明は面倒なので、誰かに譲ろう。
忍者。挨拶。謎のカードの取り合い、譲り合い、奪い合い等。
ハイコンテクスト・カルチャー、人間づきあい、
しがらみがテーマか。
やや洗練されたダンス。エンタテイメント。コメディ。
水と油や、ジョセフ・ナジを思い出した。


常樂泰
宴会芸。男3人、ふんどし一丁。裸で叩き合う。
観るのは昨年に続き二度目。二度目だと笑えない。
会場中、笑いが頻発。


山賀ざくろ
女装した男性のソロダンス。
AC/DCのロックミュージックとスモークで登場、
女子高生(もどき)。
ダンスのどのメソッドにもない動き。
強いていえばパラパラのような直線的な動きが含まれる。


恐るべき音楽性。
リズムを取ってないような動き方なのに、
音楽に乗り、完全に流れ自体である。
踊りと音楽とズレているような時も、
実際にはズレているのでなく故意にズラしている。
それでいて、全くズレではない。


山賀ざくろは芸能人になったらいい。
強い個性と音楽性、表現力を持った人間だ。
素人臭い踊り方なのだが、音楽との結婚が絶妙。
こんなに際立った特殊な個性を持っていたら、
学校でいじめられただろう。*2
苦労しただろうなあ。ここまで来られてよかったね。
今こうして舞台で自分のありったけを爆発させられて、
よかったね。そう思ったら、泣けてきた。


真に迫っている。命懸けているような気迫。


最後は、観客に背中を向け、舞台奥へ段々進む。
背中が語れてなかった。最後の構成は惜しかった。


他音楽は、椎名林檎桑田佳祐

(つづきはまた書きます)



  ☆ ☆ ☆



結果は観る前に帰った。



次代を担う振付家賞 白井剛『質量, slide, & .』
オーディエンス賞 (観客からの投票により各日1名選出)
 7月29日 康本雅子『メクラんラク』
 8月30日 遠田 誠『ニッポニア・ニッポン

M・T氏による総評
アリーテ姫によるオモシロレビュー

*1:プラレールでない本格的なやつ、名称わからず。

*2:単なる私の投影であるので、実際どうかは存じませぬ。